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歴史

  • 大正浪漫かほる粋

    渡月庵(旧柴端別館)が建てられたのは大正四年(1915年)。
    和倉町の棟梁北村喜一郎によって建てられました。
    近代的な旅館が建ち並ぶ和倉温泉にあって、渡月橋近くにひっそりと建つ渡月庵はほんとうに小さな宿ですが、和倉温泉の旅館としては最古の、数寄屋造りの建造物として知られています。
    この建造物には、有名な歌人や皇室の方々も訪れたと記録に残っております。

    門をくぐったその時から、時代をさかのぼったかのような感覚を与えてくれるはずです。
    窓の外に無数にきらめく波頭も、旅情に一層花を添えてくれます。
    渡月庵では忙しい毎日を忘れてゆったりと過ごして頂きたいので、リラックス効果のあるお香を炊いております。
    お香の香りにやさしく包まれて深呼吸すると、不思議といつもよりもゆっくりと流れ出す時間が訪れることでしょう。

    名工たちが腕を競った活気ある時代の薫りは今も漂い、太い梁や細かな細工が、湯治客で賑わった往事の面影を色濃く残っております。
    木造二階建ての各客室の欄間や格天井には、檜や屋久杉など現在では手に入らない高級木材がふんだんに使われ、その技術は現在では再現が難しいと言われております。

    平成4年の改修の際には、できるだけ大正時代から受け継いだ空気感を残すように心がけました。
    ですので、近代化した建物のような至れり尽くせりな構造ではございません。
    しかし、そのちょっとした不便さが新しかったり、懐かしかったりするのが渡月庵の良さかもしれません。

    館内にはレトロで可愛い飾りつけがちらほらと♪


    数寄を凝らした極上の和みの空間に身をゆだね、「意匠の建築」と称される数寄屋造りの粋を存分にお楽しみください。



  • 庭園内には「東海道中膝栗毛」の作者として知られる十返舎一九の歌碑も残されておりますので、ぜひ一度ご覧下さい。